にぎわうこの店でいつも最初にすることは、

店員さんを見つけて、指を一本上げること。

今日は、運良くカウンターの良い席にすわることが出来た。

この店は、会社帰りのサラリーマンを中心に、終電近くまでいつも混んでいる。

でも、決してかたよった客層でなく、

若い人からお年寄りまで、男も女も、

お金のある人もそうでない人も、勤め人もそうでない人も、

どんな人でも入れるお店。

なにより、僕だって受け入れてくれる。

値段も安く、量も多いし、

何よりいつも人であふれているのが、良い店なのだろう。

一人飲みの人が多いのも、この店の良さを表していると思う。

隣の人と楽しそうに語らう人、一人音のないテレビを眺める人、

本を読む人、店員に軽口をたたく人、

皆楽しげで、優しい顔をしている。

お気に入りの、お酒（ホッピー焼酎ジョッキ1/3＆氷どかどか入り）と、

大鍋で作られる煮込みを注文して

お酒が出るまでの待つ時間は、幸せな時間。

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お酒の入っていないときの僕は、どうしょもない役立たずで

まるで電池の切れたロボットのよう。

それでは、お酒の染み渡った僕がどうかと言えば、

内側からあふれてくるいろいろな事にビックリして、

その上からお酒をどぶどぶと流し込んでしまい、

結局ぼーっと、カウンターに座すわっているだけ。

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今日も、カウンターで大鍋を眺めながら、至福の時を過ごす。